4月下旬、
今年の桜は長いらしい。1ヶ月も咲いたそうだ。
私も最後の桜を見ることができた。
目一杯咲き誇った桜は少し疲れ始めた様子。
隣の大きな木の幹には小さな芽が息吹く。
そんな生命の移り変わりにほっと心が安らぐ。
首から下げたカメラは、どんな一瞬も撮り逃したくなくてオートモード。
最近は「平成レトロ」が流行っているから、こんな私の写真でもなんだか素敵に見えてしまう。
私の写真は私が一番好きかもしれない。
倉敷は古い街並みが残っていて、それでいてゆっくり観光ができた。
京都、金沢、宮島などは、海外から訪れる方も多く、多言語が耳に入る。
そんな中でも倉敷はまだ穴場の様子。
ちらほら海外からの方もいらっしゃったけど、全体的に人が少なくて、ゆっくり歩きやすかった。
今すでに倉敷を知っている海外の方は、とっても敏感なセンスをお持ちなんだね。
倉敷が世界中に“バレてしまう”のも、時間の問題だと思う。
ホテルの朝ごはんをお腹いっぱい食べたのに、倉敷でもたくさん甘味をいただいた。
廣榮堂の調布やきびだんご、
三宅商店の三宅カレー、
くらしき桃子のスムージー。
どれも絶品。店内も落ち着いていて、とっても心が安らいだ。
川舟流しで船頭さんが倉敷の歴史や街並みを案内してくれる。
江戸時代から残る石垣、
明治に造られた中橋、
ぷかぷか浮かんでいる白鳥、
枝垂れた柳の青い枝葉。
どれも風流だ。
倉敷の美観地区では、電車や自動車が走る音や、賑やかな人の声は聞こえない。
とにかく、静かだ。
自然と一体となって人の営みが続くまち、倉敷。
これからもずっとこのままでいてほしい。
岡山県は、各地からの旅行先としてはマイナーかもしれない。
それでも倉敷や呉、瀬戸大橋など、素敵な観光資源がたくさんある。
多くの人に知って欲しいような、まだ知られたくないような、そんな特別な場所だった。
そんな倉敷の空気に、もしふと惹かれるような気持ちが芽生えたら、
春の終わりにそっと訪れてみてほしい。
そーっと、ね。